白いワンピース

決して外すことのない視線に、先生の言葉は信じてもいいんだって思えた。



「先生…。」




今まで忘れかけていた感情が一気に込み上げてきて、涙が止まらなかった。




先生は何も言わず、優しく頭を抱き寄せ自分の胸で私の溢れ出す感情を何も言わず受け止めてくれていた。




何度も、頭を撫でる先生の手が温かく安心できるものだった。






「なあ、さくら。」






「なに?」





抱き寄せていた先生が、私の表情を見れるようにと自分の体から少しだけ離した。





「辛い時、苦しい時はいつでも頼ってよ。




最初、さくらに出会ったときは担当医、患者っていう関係だけだった。



でも今は違うんだ。



ひとりの人間として、さくらのそばでさくらを支えていきたい。



さくらの幸せを、一緒に叶えたい。



これからは、俺もさくらの家族の一員として支えていくから。




遠慮はするなよ。」





優しく頬に触れられた優しい手に、私も自分の手を重ねた。





温かくて苦しいくらいの先生の温もりが嬉しかった。




初めて感じるこの気持ちは一体何なんだろう。





今まで、椎名院長に病気を診てもらっていたけど年齢が近くなったせいか先生のそういう優しい言葉を聞くと胸が締め付けられるみたいに苦しくなった。




先生のいう『家族として』という言葉がずっと心の中に残っていた。




私はまだ先生からみたら子供だから、私の保護者として私を守ってくれるということなのかな。



深く考えるのはやめよう。




考えれば考えるほど苦しくなるだけだよね。





「さくら、今日はここで一緒にいるから。何かあったらすぐに言えよ。」




「えっ。」




よく見ると、先生は近くにあるソファーベッドを倒し寝る準備をしていた。




「本当に言ってるの。」




「ああ。今日はさくらのそばにいたいんだ。正直、あんなさくらを見たの初めてだったから、こんな暗い部屋に1人にするのが俺が不安なんだ。



幸い個室だし、看護師にも付き添うこと言ってあるしシャワーもあるから不自由ないだろ。



だからさくら。




今日はお前のそばにいさせて。」



先生はそう言うと再び私を優しく抱き寄せていた。




優しい言葉と、安心できるぬくもりが私を安心させていた。