それから毎日オンナは来た。
時間は様々で、朝だったり昼だったり、夜だったり。
俺がこの路地に来るのを見計らったように現れるとゆっくりと微笑む。
その笑みは気持ち悪い偽物だったけど、そこに悪意は感じられず放置していた。
特に感情は抱いてなかった。
抱く必要は無いと判断していた。
ーーーーでも。
『ヒナタ』
俺が呼ぶとゆっくり苦しげにみゃあと小さくなくヒナタ。
ーーー俺がいないあいだに俺を恨む奴らにやられたんだって、すぐにわかった。
『ヒナタ、しぬな、ヒナタ』
狼狽する、俺の肩にオンナは手を置いて。
ヒナタに触れた。
「ーー主さん、あなた、バイクですよね?」
そう言うとオンナはヒナタを抱き抱えた。
たしかに俺はいつもここへバイクで来ている。
それをオンナはいつ見たのかは知らないが軽く頷くとオンナは笑う
「大丈夫ですよ、ほら行きましょう?バイクならすぐつける、後ろ乗られるの嫌かも知れませんがヒナタちゃんを抱きかかえて運転はできませんでしょう?」
その言葉に俺はすぐバイクのキーをポケットから出した。
くだらねぇプライドよりも、今消えかけてるヒナタの命の方が何倍も大切だった。
