第一印象は、そんなん。
暗れぇ癖して無理して笑う死んだ目をしたオンナ。
特になんとも思わなかった、変なやつだとしか思わなかった。
でも
そいつはその次の日もきた、俺の場所に。
『なんだてめぇ』
「こんにちは、ここの主さん」
ふっと微笑むそのほほには
少しシワのよった綺麗になんて貼ってないガーゼ。
少し引っ掛かりを感じたがどうでもよくてオンナを見る。
黒髪だと思ってた髪は、実は黒じゃなかったらしい。
夜とは違って、太陽が周りを明るくするから、オンナの顔もはっきり見えたし、髪が、黒じゃなくダークブラウンだってのにも気づいた。
黒だと思い込んでた目も、深い青だってことに数分と掛からず気づいた。
整った顔も、深い青の目も、ダークブラウンの髪も。
確かに綺麗だと思ったがそれだけだった。
特に思わなかった、なんとも。
でも、ヒナタは違ったみたいで、何を思ったのか俺の後からとてとてと出てくる。
茶色い虎柄の猫。
俺の大切な大切な家族。
俺以外に懐くことも、近づくこともしなかった、可愛いヤツ。
そんなヒナタが初めてあったオンナに近づいて、事もあろうか擦り寄り始めた。
最初は驚いてたオンナも、ヒナタに少し微笑んでその綺麗な毛並みを優しくなでる。
『なんだ』
「え?」
『そんな顔も出来んじゃねーか』
そう言えばびくりと固まって俺の顔をガン見するオンナになんだこいつと訝しげな目線を向けると
オンナが撫でてくれなくなったのにグレたのか
ヒナタが今度は俺の背中を伝って俺の方に乗る。