コイツは俺を見捨てたり遠目に見たりとかはしなかった。
ただ俺に困ったように笑ってついてきた。

うざったい視線にうんざりしてた俺を。
すべてに嫌悪して捨てようとした俺を。

潤はただ見届けて情けなく笑った。

特に何をするでもなく、ただ笑っていったんだ。


「悠翔は馬鹿だよね」

一字一句覚えてる。
思い出す度にイラつくそのセリフに舌打ちしながら潤の背中を膝で軽く蹴る。

「うぉ!?え?なに!?」

焦る潤にちょっと気が晴れてふんと鼻で笑えば潤は呆れたようにため息をこぼす。

「てか、最近学校来てなかったけど、何してたの?」

『ほーふく』

「え?報復?なんの?」

きょとんと俺を見る潤に歩きながらちょっと空を見上げる。
青々とした空だ。
まさに晴天。

そんな空を見上げながら、ヒナタの報復に行った時のことを思い出す。