みんな、俺を怖がった。

でも、逆らいはしない。

あいつと同じ目にあうと分かっていた。

泣きながらも、金を渡して

『これで、許して…』

って、言うのが面白かった。

殴ると、『やめて!』って言いながら逃げようとするのが、面白かった。

でも、たまに優しくして

僕から離れないように、縛り付けた。

あいつが、必要だった。

僕の心の安定のために。

そういえば、あいつのことはあまり知らない。

兄弟がいるのかも、どこに住んでるのかも。

全部。

興味が無かった。

そんなこと、どうでもよかった。