午前八時四十五分、僕は通っている私立の高校に到着した。お墓から市バスを乗った後、電車を二十分ほど乗る。そして十分程度歩くと、僕の通っている私立の高校に到着する。家から学校までの道のりは距離があって大変だけど、高校に着くとそんな気持ちは消える。

「よ、陸」

「ん!」

背後から親しげに僕の名前を呼ぶ声が聞こえて、後ろを振り向いた。振り向いた視線の先には、親友の松本修也がいた。

「なんだ、修也か」

そっけなく僕は、親友の名前を口にした。

修也とは家も近く、小さい頃からの付き合いだ。つまり、僕の好きだった〝冬川千春〟のことも知っている。

「なんだとは、冷たいじゃないか。長い夏休みが終わって、やっとこうしてお前に会えたというのに」

「夏休み中も、会ってたじゃないか」

「ははは、そうだな」

言い返した僕の言葉を聞いて、修也は小さく笑った。