そして、失恋をする

「なぁ、陸。今度、二人乗りしてドライブしようぜ」

「遠慮しとくよ」

軽い口調で言った修也の誘いを、僕は苦笑いを浮かべて断った。

「なに買ってきたの?」

教室に戻ると、となりに座っていた希が僕に声をかけてきた。

「パンとジュース」

そっけなく言って、僕は買ってきたパンとジュースを机の上に置いた。

ソーセージロールパン、コロッケパン、そして、冷たい紙パックジュースが僕の机の上に置かれた。

「この紙パックのジュース、私にちょうだい」

僕が机の上に置いた紙パックのジュースを見て、希はすばやく手に取った。

「え、おい………」

目を丸くして僕は希に視線を移したが、彼女は「いいじゃん、LINE返さなかったんだから」と言って、ゴクリとジュースを飲んだ。

希とは知り合ってまだ一年ちょっとしか経過してないが、最初のころと比べて、彼女と日に日に友人関係が深くなっているように感じた。