✳︎

ーーーープルプル。

翌朝。設定したスマホのアラームが鳴り、僕は目を覚ました。うっすらと目を開け、ぼやけた視界の先に見えるのは白い天井。

窓の外から寝室に朝日が差し込み、ツクツクボウシの鳴き声が今日もうるさく僕の耳に聞こえる。

「夏も、もうすぐ終わりだなぁ」

ボソッと小さな声で呟きながら、僕は窓に視線を向けた。窓の外には、青い絵の具を塗りつぶしたような夏の空が広がっていた。

僕は近くに置いていたスマートフォンを手に取って、液晶画面に視線を落とした。僕が設定していたとおり、液晶画面の時間は午前七時三十分と表示していた。