ほら、もう帰ろ。
うちで飲めばいいじゃないの。

ちかの腕をとって、立たせて。

お会計を済ましたら、夜道を2人で
手をつないで歩いた。

ナオくん、モテすぎだよね。

酔っ払いのちかは、からみ癖がある。

僕は、そんなとこも可愛いと思うんだけど…
たぶん、明日には忘れてるんだよね。

モテすぎても、困らないよ?べつに。
僕には関係ないし。

と、言う僕に。

あたしはやだ。と、頬をふくらます。


ほんと、酔っ払いのちかは可愛い。
ん。と、キスすると、もっと赤くなる。

僕は、ちかだけでいいんだし。
へへへ。と、笑う僕のほっぺをむにーっと
ひっぱって。

ナオちゃん、ずるい!と、またからむ。

はいはい。僕はずるいね。と、言うと、

わかってないくせに!
またヘラヘラ笑うし!と、また怒る。

ヘラヘラって…。

しょうがないから、真面目な顔してみたら。


やーだっ、笑ってないとナオちゃんじゃない!

だ、だって、ちかがぁー…。
もう、とにかく、早く帰ろーよ。

僕たちの家が、見えてきて…。
ちょっとホッとしたら。

ナオちゃん、ナオちゃん。遠回りしようよ。

え、えー…。そんなぁ。まっすぐ帰ろ?
ね?

やーだ。

今日のちかは、どうしてこんなに頑固なの…。
僕は早く帰りたいんだよぉ。

でも、結局…ちかの言うこと聞いちゃうんだ。

がっくし…。