兄からCDを受け取ると僕は強くそれを抱きしめた。





「兄さんは何故今頃このCDを」




「それは、七海ちゃんがこの学園に行く理由にしたかったから」






兄は立ち上がり、『宇津木芸術学園』という高校のパンフレットをそっと机に置いた






「七海ちゃんがそのCDを聞いた後で良い、もし七海ちゃんがエンタメに興味を持ってくれたならこの学園に行ってもらいたい」





優しく微笑むと僕の頭を撫で





兄の優しい笑顔に僕は、黙って頷いた