(あ、それ…僕が食べたかったのにぃぃ。凪九くんの馬鹿ぁぁぁあ)
冷静になると自分の部屋なのにベッドで正座をし
アイスを頬張る姿を眺めた
「ていうか、凪九くん声のレパートリー多すぎて凪九くんの声だって判別しにくいんだよ…もぉ」
口を尖らすせてムスッとした表情に切り替わり
頭をつんつんと触っていると
「八玖、それウザイ。さっきの八玖よりかはマシだけど…」
凪九くんが僕の指をつかみ
骨を折る勢いで握りしめた
「え、また僕人格変わって…つぁ、痛い痛い!!離して、凪九くんん…!!」
ギブギブとベッドを何度も叩くと
自然と指を離してくれた
「良かった…折れてないっ」
涙を拭うと食べ終わったのか凪九くんが下から僕の顔をのぞき込んでいた
「八玖は人格がコロコロ変わっちゃうよね、相変わらず」
凪九くんにいわれてしまうのは仕方ない
そう、僕は多重人格者なのだから