「僕に何の用だ」





目を開けて椅子に座ったまま上体を起こすと、すぐ隣にうさんく




さい笑みを浮かべながらこちらをじっと見つめてくる兄がいた。




「担任として、そろそろ君にもちゃんと進路を決めてもらわないと困るんですよ。だから放課後、進路相談室に来てくださいね」





「珍しいね、今日は18時からアニメ 『真奈ちゃんの教育の仕方』やるんじゃなかったのかオタク」




兄は大好きなアニメの放送日には必ず、仕事を終わらせて僕が帰





宅するまでに見終わるのが日課なのだ。