パン屋のおばさんからお礼にもらった焼きたてパンを食べながら、再びシルフィンと歩き出す。

「子供達は学校に行くの?」

「そうです。15になるまで学校へ行き、それ以降の5年間は専門職に就く者とか勉強をしたい者たちが上の学校へ進み、他の子達は親の職業を継ぐのが多いです」

「魔法も教えるの?」

「はい。基本の魔法を身に付けます」

「お勉強って国語とか算数?」

「はい。こくごは国の言葉ですよね。あと古代の言葉も教えられます。国の歴史と星見表の使い方が主です」

そっか……私にはできない事だらけ。

「男の子は剣術も習います。剣を上達させて、将来の夢は騎士団に入る事です」
そう言われてパンを喉に詰まらせた。

「騎士団?騎士団ってリアム?」

「はい。騎士団長のリアム様は誰からも尊敬されてます。勇気があって強くて剣の腕はこの国で一番です」
嬉しそうにシルフィンはそう言った。

そうなの?
あのドSで短気な男がねぇ。

でも
心配してくれたな
泣かす気はなかった……みたいな事を言ってくれたし

素直な人なのかな

剣の練習で見せた
笑顔も可愛かった。

あれ?
違う違う。あんな男はタイプじゃない!