「誰が?私は宮本里奈(みやもと りな)株式会社 エースツーの総務部勤務。27歳。男に振られて仕事に生きる女で趣味は……どうでもいいから、ここはどこ?あなたは誰?」
大きな声で私は叫ぶ。

「救世主ではないと?」

「いっぱんぴーぷるです」

「魔法は?」

魔法って言った?聞き間違えた?

「そんなの使えません。使えるわけないでしょう。それより早く戻して下さい!午後イチで大切な会議があるのですが……太陽が沈んでる?会議終わった?」

会議ーー!
大切な会議がーー!
ヤケになって走ろうかと思っていたら、いきなり目の前の男が剣を抜いて私に向ける。

本物?
こんなの持ってたら逮捕でしょ?

初めて見る大きな凶器に怖くてペタリと座り込む。

「リアムさまー。救世主様でしたか?」

遠くの遠くから声が聞こえた。
声を追うと砂浜の向こうにある木の高い場所から聞こえたので、目をこらすと人が宙づりになっているではないか。

「リーアムーさーまー」

「うるさい!ただの行き倒れだ」

イラつきMAX状態で男は軽く手を叩くと、宙づりになってた人影が軽く動き、落下しながら人間の姿を鷹の姿に変えて目の前に風よりも速いスピードで現れた。

そして鷹は着地すると
素朴な青年の姿にまた変化する。

何これ

どうなってるの?やっぱり夢なの?