最弱救世主とドS騎士


「どうしてここに?みんな大丈夫?」
身体中痛かったけど、シルフィンに手を貸してもらって立ち上がる。

「リナは大丈夫か?」

「大丈夫。ねぇリアムは?魔王がリアムは死んでないって言ってたの!早く見つけて治療して」

私が訴えると
三人は顔を見合わせて黙ってしまった。

えっ?どういう事?
その表情はどういう事?

「アレックス。リアムはどこ?私達だけ飛ばされたの?魔王はどこ?」

「リアムは大丈夫だ。たぶん……大丈夫だが……」

「アレックス!」
意味わかんないよその説明。
説明上手なあなたがそんな下手な説明は……。

するといきなりスッと三人が私の視界から離れ、部屋の入口に目をやった。

「アレッ……ク……ス?」

三人の無言の意味を理解した。


入口にリアムが立っていた。

ボロボロのマントに汚れた軍服
闘いの後の服装をして、頭を軽く押さえて私達を見ていた。



それも


ふたり

同じ姿で……


リアムがふたりいる。