「ほんとうは僕のお嫁さんになるはずの彼女に、1番に着てほしいんだけれど。
服を置いて見るのと、着て見るのは違うから、着た感じを知りたくてね。
彼女がいつ目覚めても、すぐ準備にとりかかることができるようにしたいと思っているから。
今のうちから、こういう風に作るとこういう形になるっていうのを、知っておきたくて。」
「なるほど。そうなんですね。」
先輩は、彼女の話をするとき、すごくいい顔をしている。
その顔が、あたしはすごく好きだと思ってしまった。
「で。着てみてくれる?」
「あ。はい。」
そうは言ってみたけれど、こんなドレスを着たことがあるはずもなく・・・。
「すみません。どうやって着れば・・・?」
「あぁ。
えーっと、後ろを向いて。」
「はい。」


