「遅くなってごめん。
途中で仕事増えて、なかなか帰れなくて。」
「そうなんですね。
お疲れ様です。」
「どうも。
それで。話があるんだっけ?」
「あ。はい。」
「なに。」
先輩はあたしの隣に座って、こちらを見た。
空いているスペースが狭いから、仕方がないんだけれど、先輩との距離が近くて、自然と先輩の座る左側に意識がいってしまう。
「今日、五十嵐先輩から言われたって、足の怪我のことを謝りに来た子たちがいて…。」
「あぁ。それで?」
「それで・・・、先輩はどうしてあの子たちにあたしに謝るように言ったのかなって・・・。
それに、先輩が、あたしがあの日あの子たちと一緒にいたってなんで知ってるのかな、って。」


