そんなことを思っていると、急に自分の体が傾いた。
突き飛ばされたようだった。
「痛っ・・・。」
転ぶまいと踏ん張ったけれど、うまくバランスがとれず、転んでしまう。
「次は優しくしないから。
これからはよく考えて動きなさいよ。」
それだけ言うと、その人たちは去っていく。
いやだから、優しくされた覚えなどない。
とりあえず立ち上がろうと足に力をいれる。
「いった・・・。」
無理だ。立てない・・・。
プルルルップルルルッ
そんなときに、ポケットに入れていたスマホがなった。
佳奈からだった。
「もしもし。」
『もしもし、梨々ー?どこにいるの?』
「えっと、校舎の脇の、木がたくさんたってるところ。」
『え?なんでそんなところにいるの?』


