「梨々!」
「どうしたの、佳奈。」
「今日という今日はもう許さなくてもいいよね!?」
「え?何の話?」
「こっち来て!」
朝登校すると、下駄箱のところに佳奈が不機嫌そうに立っていた。
あたしはそんな佳奈にせかされて、教室へと向かう。
「これ見て。」
引っ張ってこられたのはあたしの机で、佳奈が指を指しているのも、あたしの机。
机の上には白い紙がたくさんはってあって、
机の中にも同じような紙がぎっしり詰まっていた。
「なにこれ。」
紙に書かれていたのは
“五十嵐さんからはなれろ!”とか
“ブスのくせに生意気なんだよ”とか。
2次元の世界でよく見る、嫌がらせの一種だ。


