「いやいや、邪魔だなんて!そんな!」



どこまでいい人なんだ、この人は…。

新海さんと同じクラスで、隣の席で…。
こんなにも近くにいることで、新海陽華という人の良さがよく分かる。

そして、あたしはこの人に勝てないんだということも、とてもよくわかってしまう。


それから新海さんは席に戻って、次の授業の予習を始めたみたいだった。



「ねぇ、梨々。今日の帰りどっか寄っていかない?」



「うん。いいよー。」



「やったっ。
どこ行くどこ行くー?」



たぶん今、佳奈はあたしを気遣ってくれた。

そんなにいい顔をしてなかったであろうあたしを見て、元気づけようとしてくれたのだと思う。


佳奈もほんとにいい人すぎる…。


佳奈といて、うわぁ嫌だなぁ…って思ったこととか、1度もないし。


あたしの周りにはいい人ばかりで、自分はこのままでいいんだろうかと思えてくる…。

あたし自分ばっかり気にしちゃってるなぁ…。