新しいクラスでの初めてのSHRで、担任の先生から新海さんの事を紹介された。
車イスだから、大変そうなときは手伝ってあげてほしいとか、
休学してて勉強もわからないところが出てくるかもしれないから、そのときは教えてあげてほしいとか、
そういう感じのことを担任の先生は言っていた。
新海さんの席はあたしの隣だった。
よろしくお願いしますと、あの素敵な笑顔を向けられた。
あたしも微笑み返したけど、なんだか胸がざわついていた。
───
「陽華。帰ろうか。
迎えはもう来ているみたいだよ。」
放課後になると、教室に五十嵐先輩がやってきた。
「うん。帰ろう。
では高木さん、泉田さん、また明日。」
新海さんは朝と同じように、先輩に車イスを押してもらいながら、教室を出ていった。


