ふわっとした笑顔で笑いかけてくれた新海さん。
同性のあたしでも惚れそうな、そんな笑顔だった。
「彼女は僕の幼なじみで、訳あって長い間休学してたんだ。」
「そうなんですか・・・。
あの、はじめまして。高木梨々です。」
「あたしは泉田佳奈。よろしくね。」
「はい。よろしくお願いします。
私は先に職員室に寄らないといけないので。
失礼しますね。」
「あ、はい。」
「じゃあ行こうか、陽華。」
「うん。ありがとう、幸樹くん。」
“陽華”“幸樹くん”って呼びあってるんだ・・・。
きっとすごく仲がいいんだろうなぁ。
それに、彼女を見るときの先輩は、とても優しそうな顔をしていて、以前婚約者さんの話をしてくれた時の表情とよく似ていた。


