――と思ってみたりしたのだが、どんな方であろうと剣持さんをこれだけビビらせる女性だ、きっととんでもない人なのだろう。
益々、副社長に同行するのが厭になった。
でも……あの頃、学生のときと同じだった。テスト期間なんてこなければいいのに、と毎度思ったが、そういう厭な時間ほど早くくる。
***
「副社長……これなんですか?」
目の前のジェット機に目が点になる。
「名前を呼べと言っているだろう! お前は飛行機も見たことがないのか?」
叱られたり呆れられたりするが、そんなの目じゃない。
「機体に画かれている丸に東のマーク……これ丸東建設のプライベートジェットですか?」
「案外目ざといな。そうだ」
新堂コンツェルンも昔は持っていたらしいが、経費がかさむとかで手放したそうだ。
「凄いですね……」
「僕としては維持費がかかるから要らないんだが……蘭子さん……」
蘭子さんとは副社長の母上のことだ。剣持さんが教えてくれた。
「母からのプレゼントだから手放したくても手放せないんだ」
ジェット機をプレゼント……何と豪胆な母上様だ。
あまりにビックリしていたので、近付く人たちに気付かなかった。
「奈々美ちゃん、今日も可愛いね」
益々、副社長に同行するのが厭になった。
でも……あの頃、学生のときと同じだった。テスト期間なんてこなければいいのに、と毎度思ったが、そういう厭な時間ほど早くくる。
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「副社長……これなんですか?」
目の前のジェット機に目が点になる。
「名前を呼べと言っているだろう! お前は飛行機も見たことがないのか?」
叱られたり呆れられたりするが、そんなの目じゃない。
「機体に画かれている丸に東のマーク……これ丸東建設のプライベートジェットですか?」
「案外目ざといな。そうだ」
新堂コンツェルンも昔は持っていたらしいが、経費がかさむとかで手放したそうだ。
「凄いですね……」
「僕としては維持費がかかるから要らないんだが……蘭子さん……」
蘭子さんとは副社長の母上のことだ。剣持さんが教えてくれた。
「母からのプレゼントだから手放したくても手放せないんだ」
ジェット機をプレゼント……何と豪胆な母上様だ。
あまりにビックリしていたので、近付く人たちに気付かなかった。
「奈々美ちゃん、今日も可愛いね」



