「お前の前でカッコ付ける必要があるのか?」
そんな疑問を投げかけれても……何と答えればいいのか分からない。
「ほら、即答できないということは、そんなの必要ないということだ」
胸を張って威張る副社長に、溜息しか出ない。
「さぁ、行くぞ」
顎を上げて車椅子を押せと合図する。
仕方なしにご希望通りにしてあげる。
「出てくるまで帰るな」
そう言って副社長は男子トイレに消える。
「男子トイレまで一緒に来い」と言われないだけマシだと思い、私も化粧室に入る。
個室から出て手を洗っていると、「山本さん」と声がかけられる。鏡越しに秘書補佐五人の姿が目に映る。
揃いも揃ってその顔は鬼のようだ。
前回もだったが、毎度毎度トイレで苛め? ティーンエイジャーか!
溜息も出ない。
「どういうこと?」
口火を切ったのは葵だ。
「どういうこととはどういうことでしょうか?」
惚けたが分かっている。副社長との噂のことだろう。
「馬鹿にしているの?」
「そうよ、結婚の話よ!」
案の定だった。
そう言えば彼女たち五人は花嫁候補だった。
「おまけに剣持様まで誑かして、貴女、何様なの!」
真っ赤なルージュを引いた……この子は確かこの中で一番年下の……茜だ。彼女が怒りに任せて地団駄を踏む。
そんな疑問を投げかけれても……何と答えればいいのか分からない。
「ほら、即答できないということは、そんなの必要ないということだ」
胸を張って威張る副社長に、溜息しか出ない。
「さぁ、行くぞ」
顎を上げて車椅子を押せと合図する。
仕方なしにご希望通りにしてあげる。
「出てくるまで帰るな」
そう言って副社長は男子トイレに消える。
「男子トイレまで一緒に来い」と言われないだけマシだと思い、私も化粧室に入る。
個室から出て手を洗っていると、「山本さん」と声がかけられる。鏡越しに秘書補佐五人の姿が目に映る。
揃いも揃ってその顔は鬼のようだ。
前回もだったが、毎度毎度トイレで苛め? ティーンエイジャーか!
溜息も出ない。
「どういうこと?」
口火を切ったのは葵だ。
「どういうこととはどういうことでしょうか?」
惚けたが分かっている。副社長との噂のことだろう。
「馬鹿にしているの?」
「そうよ、結婚の話よ!」
案の定だった。
そう言えば彼女たち五人は花嫁候補だった。
「おまけに剣持様まで誑かして、貴女、何様なの!」
真っ赤なルージュを引いた……この子は確かこの中で一番年下の……茜だ。彼女が怒りに任せて地団駄を踏む。



