偏見かもしれないが、男好きのするこの容姿と言動なら、ホステスさんみたいな仕事の方が向いているのではないだろうか……と思ったが、彼女に転職の意思はサラサラないみたいだ。
「気にすることはないぞ」
私が黙りこくっているからか、心配そうに眉を下げた常爺さんが私の頭をポンポンする。
「全然気にしていませんから」と小声で言うと、美和さんにも聞こえたのだろう「そういうシレッとしたところが嫌いなのよね」と耳元で憎々しげに囁いた。
美和さんの私への態度はイジメだと思う。でもなぜか彼女を嫌いになれなかった。それは彼女が一生懸命生きているからだと思う。
男性に媚びを売りながらだが、男性でも辛い現場の作業を淡々と熟す美和さんはカッコ良かった。
それに、彼女のお陰で改めて分かったこともある。
やはり男性は女性然とした美人に弱い! だからといって、お嬢様然とした昔に戻る気はサラサラないが……。
「そうそう、美和ちゃん、お前の王子様が午後から視察に来るって連絡があったぞ」
現場監督の言葉に「えっ! 本当」と彼女はクルッと私に背を向け、祈りのポーズで青い空を見つめた。
「二ヶ月ぶりかしらぁ?」
一瞬で意識が王子様とやらに移ったようだ。
美和さんに釣られて私も空を仰ぎ見る。本当に今日はいいお天気だ。
ところで、王子様って誰?
常爺さんに小声で訊ねる。
「気にすることはないぞ」
私が黙りこくっているからか、心配そうに眉を下げた常爺さんが私の頭をポンポンする。
「全然気にしていませんから」と小声で言うと、美和さんにも聞こえたのだろう「そういうシレッとしたところが嫌いなのよね」と耳元で憎々しげに囁いた。
美和さんの私への態度はイジメだと思う。でもなぜか彼女を嫌いになれなかった。それは彼女が一生懸命生きているからだと思う。
男性に媚びを売りながらだが、男性でも辛い現場の作業を淡々と熟す美和さんはカッコ良かった。
それに、彼女のお陰で改めて分かったこともある。
やはり男性は女性然とした美人に弱い! だからといって、お嬢様然とした昔に戻る気はサラサラないが……。
「そうそう、美和ちゃん、お前の王子様が午後から視察に来るって連絡があったぞ」
現場監督の言葉に「えっ! 本当」と彼女はクルッと私に背を向け、祈りのポーズで青い空を見つめた。
「二ヶ月ぶりかしらぁ?」
一瞬で意識が王子様とやらに移ったようだ。
美和さんに釣られて私も空を仰ぎ見る。本当に今日はいいお天気だ。
ところで、王子様って誰?
常爺さんに小声で訊ねる。



