ツンの恩返しに、僕は108本のバラを贈るよ

「瑞樹ぃ、たぁ君だよぉ」

いそいそと副社長が戻ってきた。

「すみません、ちょっと瑞樹を抱っこしてもらっていいですか」
「言われなくても……ん? どうかしたか?」
「お熱が出ちゃいました」

「えっ!」と副社長の顔が青くなる。

「僕の変身で熱が出たのか!」

どうなのだろう? 風邪がぶり返したと思うのだが……。

「うわっ! 瑞樹、ごめん。そんなに完璧な変身だったか!」

何気に自画自賛している?

「冷却シートを貼ってから病院に連れて行きます。この間の風邪がぶり返したぐらいならいいのですが、今の時期、感染症が流行る季節なので……万が一ということがあるので」

「感染症とは何だ? 重病か!」

蒼白になる副社長を横目に、冷蔵庫に冷やしてある冷却シートを取りに行く。

「風疹、手足口病、ヘルパンギーナ、りんご病とかですかね。他にも麻疹とかおたふく風邪とか……とにかく全てうつります。保育園からのお便りに注意を呼びかける一文がありました」

「瑞樹は誰かにうつされたのか!」

副社長が急に怒り出す。

「誰だ! 瑞樹にそんな菌をうつしたのは!」
「副社長……誰のせいでもありません!」

全く! 怒りに任せて保育園に怒鳴り込みそうだ。