ツンの恩返しに、僕は108本のバラを贈るよ

その通りだ。大きくなって分かった。『愛嬌のある可愛い顔』は、姉の『美人可愛い』とは違う。

黙っていると副社長がおもむろに口を開く。

「よく聞け、僕は将来大企業を背負って立つ身だ。幼い頃から帝王学を学ばされ、良きにつけ悪しきにつけ人間の表裏を見せられた」

この流れで何を言い出したのだろう? でも……兄もそうだったことを思い出す。

「その僕が捻くれずに素直に育ったのは、可愛い物の存在があったからだ! お前は瑞樹と系統こそ違うが可愛い。自信を持て!」

これって……慰めているのだろうか? でも、やっぱり姉の『カワイイ』とはどこかニュアンスが違うような気がする。

これ以上この話題について話すのは……不毛だ。
だから、先程疑問に思った話に戻す。

「話題をぶった切りますが、瑞樹だけじゃなく私も、とはどういう意味でしょうか?」
「そのまんまだけど。君も僕と一緒に出勤するという意味だ」

ええっ! それは話が違う!

「個人的な契約だと……」
「会社は関係ない。君は家政婦として二十四時間僕の世話をするんだったな?」

確かにそうだが……。

「だから身の回りの世話係として会社に連れて行くんだ。何か文句でも?」

ありありだ!