物凄く恩着せがましい言い方だが――。
作業中の現場だ。打ちっ放しのコンクリートが剥き出しになっている。
打ち所が悪かったら死んでいた?
「死亡者を出したら新社屋の汚点になるところだった」
「良かったですね、幽霊の出るビルにならなくて」
「ああ、そうだな。それも僕のお陰だ」
クーッ、いちいち恩を売ってくる人だ。でも、本当のことだから悔しいけど逆らえない。
「ご恩は一生忘れません」
「当然だ!」
ニヤリと口角が上がる。悪徳商人越後屋みたいな悪い顔だ。何となく嫌な予感がする。
「そう言えば、お前、現場をクビになったんだったな」
「ええ、そうです」
「派遣会社の方は自宅謹慎だったな」
「それが何か?」
いちいち人の気持ちを逆なでする人だ。
「だったらちょうどいい。辞めろ」
「はい? 何をやめろと?」
「派遣会社をだ」
何を無茶言い出すのだ? 人の収入源を!
「辞めたら路頭に迷います」
「もう既に迷子だろう? 違うか」
確かにその通りだが……肯定するのは悔しい。
「うちで使ってやる」
「まさか……丸東建設で!」
スーッと血の気が引く。それはダメだ!
「まぁ、取り敢えずこの足が完治するまでは家政婦代わりに使ってやる。個人契約でだ」
個人とは丸東建設関係なしに、ということだろうか?
「完治するのに期間は?」
「骨が元の状態になるには最低三ヶ月だそうだ」
作業中の現場だ。打ちっ放しのコンクリートが剥き出しになっている。
打ち所が悪かったら死んでいた?
「死亡者を出したら新社屋の汚点になるところだった」
「良かったですね、幽霊の出るビルにならなくて」
「ああ、そうだな。それも僕のお陰だ」
クーッ、いちいち恩を売ってくる人だ。でも、本当のことだから悔しいけど逆らえない。
「ご恩は一生忘れません」
「当然だ!」
ニヤリと口角が上がる。悪徳商人越後屋みたいな悪い顔だ。何となく嫌な予感がする。
「そう言えば、お前、現場をクビになったんだったな」
「ええ、そうです」
「派遣会社の方は自宅謹慎だったな」
「それが何か?」
いちいち人の気持ちを逆なでする人だ。
「だったらちょうどいい。辞めろ」
「はい? 何をやめろと?」
「派遣会社をだ」
何を無茶言い出すのだ? 人の収入源を!
「辞めたら路頭に迷います」
「もう既に迷子だろう? 違うか」
確かにその通りだが……肯定するのは悔しい。
「うちで使ってやる」
「まさか……丸東建設で!」
スーッと血の気が引く。それはダメだ!
「まぁ、取り敢えずこの足が完治するまでは家政婦代わりに使ってやる。個人契約でだ」
個人とは丸東建設関係なしに、ということだろうか?
「完治するのに期間は?」
「骨が元の状態になるには最低三ヶ月だそうだ」



