茉莉乃さんの父親であり楠木建設の社長でもある楠木金作と小金親子だった。
〈先程から貴女は『嘘』と連呼されますが、何を以て『嘘』なのでしょう?〉
副社長の鋭い眼が茉莉乃さんを睨む。
〈楠木建設と小金建設の悪事は全て調査済みです。間もなく司法の方が到着されるでしょう〉
副社長がクイッと顎を上げた。どうやら控えていたスタッフに合図を送ったらしい。黒服を着た男が十人ほど現われ、楠木親子と小金親子を会場から連れ出していった。
〈――少々脱線してしまいましたが、ここで私の婚約者でもある新堂コンツェルンの次女、新堂奈々美さんをご紹介致します〉
カメラをジッと見つめた副社長がモニター越しに優しい眼差しでこちらを見つめる。
〈奈々美、おいで〉
「さぁ、行くわよ!」
「参りましょう」
美和さんと桜子さんが両脇から、呆気に取られている私の腕を取る。そして、さらに奥にあったドアを開け、舞台裏と思しき廊下を歩いて行く。
「お待たせ致しました」
舞台袖まで来ると、桜子さんがそこにいた一人の女性に背中越しに声をかけた。振り向かなくてもこのスタイルの良さ、誰だか分かる。
「ようやく主役登場ね」
振り向いたのはやはり思った通りだった。
「――蘭子さん……」
〈先程から貴女は『嘘』と連呼されますが、何を以て『嘘』なのでしょう?〉
副社長の鋭い眼が茉莉乃さんを睨む。
〈楠木建設と小金建設の悪事は全て調査済みです。間もなく司法の方が到着されるでしょう〉
副社長がクイッと顎を上げた。どうやら控えていたスタッフに合図を送ったらしい。黒服を着た男が十人ほど現われ、楠木親子と小金親子を会場から連れ出していった。
〈――少々脱線してしまいましたが、ここで私の婚約者でもある新堂コンツェルンの次女、新堂奈々美さんをご紹介致します〉
カメラをジッと見つめた副社長がモニター越しに優しい眼差しでこちらを見つめる。
〈奈々美、おいで〉
「さぁ、行くわよ!」
「参りましょう」
美和さんと桜子さんが両脇から、呆気に取られている私の腕を取る。そして、さらに奥にあったドアを開け、舞台裏と思しき廊下を歩いて行く。
「お待たせ致しました」
舞台袖まで来ると、桜子さんがそこにいた一人の女性に背中越しに声をかけた。振り向かなくてもこのスタイルの良さ、誰だか分かる。
「ようやく主役登場ね」
振り向いたのはやはり思った通りだった。
「――蘭子さん……」



