ツンの恩返しに、僕は108本のバラを贈るよ

「じゃあ、服を脱いで頂けるかしら」

三人官女のように並んだ一人が指示を出した。

へっ? どうしてこんなところで、ストリップまがいのことをしなくちゃいけないの?

ピキンと固まった私に業を煮やしたのだろう。三人の中で一番年長者っぽい女性が私の服を脱がし始めた。

嘘っ、冗談でしょう!

あまりに必死で覚えていないが、『ギャー』とか『ワーッ』とか奇声を上げつつかなり反抗したと思う。しかし――。



「桜子さん……これどういうことですか?」

いつの間にか私はお姫様に……ではなく、新堂の家にいた頃のような、お嬢様スタイルに変身させられていた。

「ふーん、これが貴女の本当の姿だったんだ」

えっ、と振り向くと――意外な人物が腕を組みしげしげとこちらを見ていた。

「どうして! 何で三上美和さんがここにいるの?」
「貴女、さっきから『どうして』とか『何で』とかばかりじゃない。語彙力ないわね」

いやいやいや、語彙力とか今は関係ないし。

「ご招待に与ったからよ」

美和さんは私の混乱ぶりを無視して答える。

「誰に?」
「恭吾さんに」
「それ誰?」

やれやれと美和さんが頭を振る。

「あれだけ世話になっておきながら、剣持恭吾さん。副社長の秘書よ。彼に招待されたの」

鳩が豆鉄砲を食うという言葉があるが、まさしく今の私がそうだと思う。きっとすっとぼけた顔をしていたことだろう。