ツンの恩返しに、僕は108本のバラを贈るよ

「桜子、料理教室って明日からじゃなかったかい?」

「あっ」ピカンと閃いたとばかりに桜子さんが大きく頷いた。

「そうだったわ。奈々美さんもご一緒しましょう」

料理教室とはさっき言っていた蘭子さんの……。

「二、三日留守にするにはちょうどいいわ」
「それはそうですけど……」
「大丈夫よ。コネでねじ入れちゃうから」

聞けばベビーシッターも常駐していると言う。ああ、と納得する。だから、泊まりがけでも参加できるんだと。

「彼女が留守にするなら、仕事を休んででも子守は辞さないんですがね」
「ダメよ。大切なお仕事を私の趣味で休ませるわけにはいかないわ」
「と言って、毎回、連れて行っちゃうんですよ」

二人の甘い雰囲気が漂い始め、第三者としてはちょっと照れ臭くなる。

「だから、瑞樹君と一緒にね!」行こうと桜子さんが誘ってくる。ちょっと強引だが、私たちの心配をしてだろう。そう思うと無下に断ることもできず、「よろしくお願いします」と言っていた。

「だったら、前倒しで今日からお泊まりしちゃいましょう!」
「そうだね。今日に今日、あちらが動くとは思わないが、用心のためにはいいかもしれない」

そんな会話がされ、その流れで今夜からそのホテルに宿泊することになった。