「副社長、お忙しいのに無理なさらなくて結構ですよ」
きっと出張先では接待もあるだろう。
「馬鹿か。瑞樹と話さないで明日の活力が得られると思うか? それに、お前とも話したいしな」
ついでのように付け加えられた言葉だが、副社長が優しい目で微笑んだ。
ズギュンと心臓を撃ち抜くような蠱惑(こわく)の微笑みだ。
クーッ、決心が揺らぐではないか!
本当に罪深い男だと思いながら、「はいはい、行ってらっしゃいませ」と早々に追い出そうとすると――。
「本当にお前はツンだな。時にはデレろ」と笑いながら、「じゃあ、行ってくる」と私の腕の中にいる瑞樹の頬にチュッとキスをして、ドサクサ紛れに私の頬にもキスをした。
それを目にした剣持さんは、私が照れると思ったのか、明後日の方向に目を遣り見て見ぬ振りをする気遣いをしてくれた。本当に秘書の鏡だ。
ようやく副社長を見送り、瑞樹を保育園に連れて行く。
本当は休ませようと思ったが、荷物を運んだりしなくてはいけないので、やっぱり預けることにした。
「それにしても……」
一人になると早速に荷物を片付け始めたのだが、自室として与えられた部屋の中央に集められた荷物に溜息が出る。
きっと出張先では接待もあるだろう。
「馬鹿か。瑞樹と話さないで明日の活力が得られると思うか? それに、お前とも話したいしな」
ついでのように付け加えられた言葉だが、副社長が優しい目で微笑んだ。
ズギュンと心臓を撃ち抜くような蠱惑(こわく)の微笑みだ。
クーッ、決心が揺らぐではないか!
本当に罪深い男だと思いながら、「はいはい、行ってらっしゃいませ」と早々に追い出そうとすると――。
「本当にお前はツンだな。時にはデレろ」と笑いながら、「じゃあ、行ってくる」と私の腕の中にいる瑞樹の頬にチュッとキスをして、ドサクサ紛れに私の頬にもキスをした。
それを目にした剣持さんは、私が照れると思ったのか、明後日の方向に目を遣り見て見ぬ振りをする気遣いをしてくれた。本当に秘書の鏡だ。
ようやく副社長を見送り、瑞樹を保育園に連れて行く。
本当は休ませようと思ったが、荷物を運んだりしなくてはいけないので、やっぱり預けることにした。
「それにしても……」
一人になると早速に荷物を片付け始めたのだが、自室として与えられた部屋の中央に集められた荷物に溜息が出る。



