生まれて初めて浴びる物凄い数の攻撃的なカメラのフラッシュ。
これをここ数日間、毎日のように遠藤さんは喰らっていたのかと思うと腹立たしくなってきた。
だけど穏便に済ませようとしているところで僕が怒っても仕方がない。
えー、本日はお忙しい中。また深夜の遅い時間にも関わらずマスコミの皆様にはお集まりいただき感謝しております。それではただ今から我がプロダクションに所属している遠藤玲の婚約発表記者会見を始めさせていただきます、というお決まりの社長の言葉から記者会見は始まった。
そうなのだ、これを気に僕らは正式に婚約することにしたのだ。
芸能界の場合、ただ付き合っているというよりも正式な婚約や結婚にしたほうが人気の落ちないケースは多い。
それによって仕事が増えたり、離れるファンと同時に別のファン層をつかまることが出来たりするのだそうだ。
僕も有名人になってしまった遠藤さんと隠れて付き合っていることに少なからず憤りを感じていたし、ついにこれでいつになるかわからなかった結婚も出来るようになる。そう考えるとずっと僕のプライベートにまで張り付いていた心無い報道陣にも有難みを感じてきた。
遠藤さんがおびただしい数のマイクに向けて僕たちの出会いから話をし、これまたお決まりの質問タイムがやってきた。
プロポーズの言葉とか聞かれちゃうんだろうなぁと思っていると、一人目の記者が質問を始めた。
「ご一緒にポテトは如何でしょうか?」
僕の妄想中の間に、洸河と遠藤さんはファーストフードの店に入った。
作戦ではここで遠藤さんが勧誘をする手立てになっている。
この作戦は完全なるパクりだ。
にしても相田先輩はどうしてここまで知っているのだろう。
もしかして前に僕が遠藤さんと芝居を見たのも相田先輩が僕を演劇部に入れるために立てた作戦だったのでは、と勘ぐってみたが、僕が柏の街にいたのは本当に偶然だったのだからそれはない。
「面白かったですね」
「そうですね、先輩」
小さな仕切りを境に席を取ったので今度は二人の会話を聞くことが出来る。
「あのような小さな小屋でのお芝居は初めてでしたが、あれはあれでいいものです。次は僕が大ホールでやるミュージカルにご招待させていただきます」
「はい。機会があったら、ぜひ」
次の機会なんてあってたまるか。
これをここ数日間、毎日のように遠藤さんは喰らっていたのかと思うと腹立たしくなってきた。
だけど穏便に済ませようとしているところで僕が怒っても仕方がない。
えー、本日はお忙しい中。また深夜の遅い時間にも関わらずマスコミの皆様にはお集まりいただき感謝しております。それではただ今から我がプロダクションに所属している遠藤玲の婚約発表記者会見を始めさせていただきます、というお決まりの社長の言葉から記者会見は始まった。
そうなのだ、これを気に僕らは正式に婚約することにしたのだ。
芸能界の場合、ただ付き合っているというよりも正式な婚約や結婚にしたほうが人気の落ちないケースは多い。
それによって仕事が増えたり、離れるファンと同時に別のファン層をつかまることが出来たりするのだそうだ。
僕も有名人になってしまった遠藤さんと隠れて付き合っていることに少なからず憤りを感じていたし、ついにこれでいつになるかわからなかった結婚も出来るようになる。そう考えるとずっと僕のプライベートにまで張り付いていた心無い報道陣にも有難みを感じてきた。
遠藤さんがおびただしい数のマイクに向けて僕たちの出会いから話をし、これまたお決まりの質問タイムがやってきた。
プロポーズの言葉とか聞かれちゃうんだろうなぁと思っていると、一人目の記者が質問を始めた。
「ご一緒にポテトは如何でしょうか?」
僕の妄想中の間に、洸河と遠藤さんはファーストフードの店に入った。
作戦ではここで遠藤さんが勧誘をする手立てになっている。
この作戦は完全なるパクりだ。
にしても相田先輩はどうしてここまで知っているのだろう。
もしかして前に僕が遠藤さんと芝居を見たのも相田先輩が僕を演劇部に入れるために立てた作戦だったのでは、と勘ぐってみたが、僕が柏の街にいたのは本当に偶然だったのだからそれはない。
「面白かったですね」
「そうですね、先輩」
小さな仕切りを境に席を取ったので今度は二人の会話を聞くことが出来る。
「あのような小さな小屋でのお芝居は初めてでしたが、あれはあれでいいものです。次は僕が大ホールでやるミュージカルにご招待させていただきます」
「はい。機会があったら、ぜひ」
次の機会なんてあってたまるか。


