ノックの音に僕の声がかき消され、遠藤さんが返事をするかしないかくらいのタイミングで
「失礼する」
と、どこかで見たことがある4人組が入ってきた。
(眼鏡クラブ?)
ではなくて、生徒会の人たちだ。
「相田君は、まだ来てないのかな?」
「あ、えーと」
横柄な生徒会の態度に戸惑いながらも答えようとする遠藤さんの言葉を聞く前に、眼鏡を中指で持ち上げるお決まりのポーズをした生徒会長が下僕AとBに何か指示を与えると、二人は僕らの横を通り抜けてカーテンを勢い良く開けた。
雨は、さっきよりも強くなっている。
「石本、外も見てみろ」
「はい」
下僕Bの石本先輩が窓を開けると、校舎を打ちつける雨音が大きくなった。そして窓から外に顔を出してキョロキョロと覗くと
「いません」と答えた。
そんなところに誰かいるわけがないだろうとも思ったが、あの先輩に限ってはあまり否定できない。
「あの、まだ先輩なら来ていませんけど」
遠藤さんが僕らの存在を無視するように行動する彼らに対して、少しムッとしながら言った。
生徒会長はそんな彼女の言い回しを全く気にせず
「ああ、君は確か一年生だったよね。悪い事は言わないから、なるべく早くこのクソ演劇部など辞めて、他の部に入ったほうがいい」
と背の低い彼女を見下すように言った。
「なっ…」
憤慨する遠藤さんをよそに、後ろに控えるロングヘアのお姉さんが横から口を出した。
「國井会長。『クソ』という表現は、あまり上品な言い回しではありません。『ダメ演劇部』の方が適切かと」
「ああ、そうだな。まぁ、君なら茶道部とかのほうがいいと思うよ。希望とあれば、我々生徒会に推薦しても構わないが」
どこまでバカにすれば気がすむんだ。相田先輩のことならいくら言っても構わないが遠藤さんのことをこれ以上言うなら、僕だって黙ってはいられない。
視線を感じ取ったのか、次に國井会長は僕のほうを睨みつけ
「あとそこの頭の悪そうな君も、早く別の部活を探しなさい」
と吐き捨てるように言った。
「失礼する」
と、どこかで見たことがある4人組が入ってきた。
(眼鏡クラブ?)
ではなくて、生徒会の人たちだ。
「相田君は、まだ来てないのかな?」
「あ、えーと」
横柄な生徒会の態度に戸惑いながらも答えようとする遠藤さんの言葉を聞く前に、眼鏡を中指で持ち上げるお決まりのポーズをした生徒会長が下僕AとBに何か指示を与えると、二人は僕らの横を通り抜けてカーテンを勢い良く開けた。
雨は、さっきよりも強くなっている。
「石本、外も見てみろ」
「はい」
下僕Bの石本先輩が窓を開けると、校舎を打ちつける雨音が大きくなった。そして窓から外に顔を出してキョロキョロと覗くと
「いません」と答えた。
そんなところに誰かいるわけがないだろうとも思ったが、あの先輩に限ってはあまり否定できない。
「あの、まだ先輩なら来ていませんけど」
遠藤さんが僕らの存在を無視するように行動する彼らに対して、少しムッとしながら言った。
生徒会長はそんな彼女の言い回しを全く気にせず
「ああ、君は確か一年生だったよね。悪い事は言わないから、なるべく早くこのクソ演劇部など辞めて、他の部に入ったほうがいい」
と背の低い彼女を見下すように言った。
「なっ…」
憤慨する遠藤さんをよそに、後ろに控えるロングヘアのお姉さんが横から口を出した。
「國井会長。『クソ』という表現は、あまり上品な言い回しではありません。『ダメ演劇部』の方が適切かと」
「ああ、そうだな。まぁ、君なら茶道部とかのほうがいいと思うよ。希望とあれば、我々生徒会に推薦しても構わないが」
どこまでバカにすれば気がすむんだ。相田先輩のことならいくら言っても構わないが遠藤さんのことをこれ以上言うなら、僕だって黙ってはいられない。
視線を感じ取ったのか、次に國井会長は僕のほうを睨みつけ
「あとそこの頭の悪そうな君も、早く別の部活を探しなさい」
と吐き捨てるように言った。


