琉雨は俯き、男は黙ってそんな琉雨を見つめていた。

『…なるほど』

やがて琉雨が言った。

彼の声からは潮が引くように、少しずつ感情が失われていった。

『国家権力に屈したって訳ですね。

…自分の家族ですら殺されているのに、

結局上からの圧力には逆らえないんだ』

「子供の癖に、知ったような口を利くな。

組織というものは、感情では動かせねぇんだよ」