4月。



私たちは高校2年生になった。



クラスは仲の良かった人が固まっていた。



みんなも私も喜んだ。



大げさなくらいに。



女子数人で、駆け足で教室に向かう。



みんな教室に着くなり、勢いよく中に入っていく。



「ドア、壊れちゃうよ?ふふっ」



笑いながら、私は女子に言った。



「大丈夫だよー!こんなんで壊れたら、そこらじゅうのドアたくさん壊れてるよー。」



ごもっとも。



なんてことを言ってるのは、私の親友弥桜(みお)。




ゆるふわの髪をした明るい女の子。




あ、私?




私は、百里 柚月(ももり ゆづき)




黒髪のストレートロングのイケイケ女子高校生です。




ていう、冗談は置いといて。




弥桜の他にもまだ数人親友と呼べる子がいる。




「あ、そうだ!ユヅ!始業式終わったら、みんなで写真撮ろうよ!」




と、満面の笑みで言ってきた。




「うん。いいよー。みんなで進級って落書き入れよー。」




私の提案に、みんなが賛成と声を合わせていう。




そして、すぐに男子がゾロゾロと教室に入ってきた。



「あ!やったー!千春と一緒のクラスだー!」



と、騒ぎ出す女子たち。




九十九 千春(つくも ちはる)



それが、女子が騒いでる人の名前。



あの人は学校では、知らない人が居ないほど、人気のある人なのだ。



あの人が男子をまとめるなら、私は女子をまとめている。



でも、私は1度も千春と話したことがない。