玲音中1の時side


……俺は、小さいとき捨てられた。




何日も家に帰ってこない母親。


母親を殺した父親。



いつも、町をさまよっていた。




そんな生活が続いて、1ヶ月くらいたった時のことだった。



俺は、組の総長に拾われた。



みんな俺を受け入れてくれた。



優しくしてくれた。



こんなに暖かい気持ちになったのは、初めてだった。



それから月日は流れ、どんどん喧嘩も上達し、やっと、恩返しができるようになった、中1の夏だった。



また、俺に神様は意地悪をした。




俺がいた組、「斎藤組」が奇襲にあった。



俺たちは必死で戦った。


やっとのことで退けた。


襲ってきたのは、「光春組」


………姫は、母親だった。



俺の大っ嫌いな。



俺は、決して裏切ってなんかなかった。



あんな母親と手を組むくらいなら、死んだほうがましだ。


だけど、あいつの一言で、俺は、裏切りものとなり、正統派だった「斎藤組」が今のような頭のおかしい集団になってしまった。