お母さんが壊れたのは、暴走族のせい。


全部、全部。


私が、暴力を受けても何も思わなくなったのも。


ある日、家族で出掛けた。


とても楽しかった。


帰り道。


あともうすこしで、家だった。


私とおとうさんが手を繋いで、
妹とおかあさんが手を繋いで。


幸せだった。


みんな笑ってた。



行きなり聞こえてきた、爆音。


バイクの音だった。


そして一直線に私に向かってきた。


怖くて、何もできなかった。


目を瞑って、死ぬのを待った。


バーン


…………死んだのは、私じゃなくて、おとうさんだった。



それから毎日地獄だった。



前よりもっと、もっと暴力を振るうことがふえた。

私は心も、体もボロボロだった。


そんなとき、私に手をさしのべてくれたのが、真央と、怜だった。



笑顔が増えた。


感情が戻ってきた。



でも、まだ闇は晴れない。

私の闇は。