ソルの息災を確認すると、漸く安心した様にガドランが笑った。
「.......それにしても、お前。なんと艶やかで美しい姿をしているな?一瞬見まごうたが、どうゆう事だ?」
キラリと瞳を意地悪に光らせて、ガドランがソルの顎を引き上げた。
「うわっ!!」
「久し振りの再会なのに、色気の無い声を出すな」
薄い紫の中に銀色の光を散らした様な瞳にじっと覗き込まれるとソルはいつもいたたまれなくなってしまう。
とても綺麗でずっと見ていたくなる反面、怖くて目を逸らしたくなる。
所作も身体から醸し出す雰囲気も、そこらのデルガ(貴族)とは比べ物にならない。
まるでキルバル様のようなー.......
「.......ふっふざけるなっ!」
「ふざけてなんかいないぞ?見習い服より、こっちの方が似合っている。俺の好みだ」
「お前の好みなんて、全然聞いてないっ!!いい加減離せってばっ!!」
「ハッハッハ!!相変わらずおてんばだな?やっと見つけたんだ、連れて帰るまで離しはしないぞ!!」
挑戦的な笑みでソルの腰を引き寄せると、女の力ではびくともしない。
「ガドランっ!!離して!!ガドランってばっ!!」
「フフッ暴れるなって。ん?どうしたお前、虫にでも刺されたか?胸元に赤い痣がー」
暴れて少し肌けた胸元に薄ら残る跡を、ソルは顔を真っ赤にしながら隠した。
「何でもないっ!!見るなっ!!」
「まさか.......お前.......誰に付けられたっ!!言えっ!!」
初めて見るガドランの怒りの形相に、ソルは何も言えず、ただ目を伏せるしか出来ない。
ここで全てを話せば、もう後戻りは出来ない。
「俺が傍にいればっ!!………クソっ!!」
怒りに震えていながらも、ソルをそっと抱き締めるガドランの腕は、壊れ物を扱う様に優しかった。



