一息に言わねば、何も言えなくなりそうで、ソルは一気に捲し立てた。


「.............」


数分だが、長い沈黙がこの東屋を征す。


「そうだな。お前は、俺の身体に沢山の不敬をはたらいた事は事実、その罪は重い。その手を切り落とされても文句は言えまい。だがしかし、お前の功も高い事も事実。ならば、一つだけ罪を償う方法を提示してあげてもよいが、どうする?」


キルバルの顔は無表情で、何を考えているのか想像が全くつかない。

それでも、ソルには残された選択肢は一つしか無かった。


「御容赦していただけるのなら、何でも致しますっ!!その提示お受けします!!」


「フフッ.......そうか、よく言った!」


快諾した筈の手が震えている。

命は助かるかも知れないが、どんな仕打ちをされるかは分からない。


「立て.......立って私の前へ来い」


足の痺れと、膝の痛みにヨロヨロと立ち上がると、珍しく髪に付けていた飾りがシャラシャラと音を立てた。

キルバルは暫し無言だったが、視線はソルを逃すまいと強く向けられている。

ドクドクと心臓の音が高くなっていくのが、自分の中で分かった。


「その衣の裾をあげろ」


「えっ!!どうして.......」


「何でも言う事を聞くのだろ?さっさと捲れ」


恥ずかしさと緊張で震える手で衣を掴むとゆっくりと下半身の衣たくし上げる。

怖くて目をつぶって耐えていると、両膝を触られる感覚で目を開いた。


「キルバル様.......何を?」


「強く跪き過ぎだ。.......ほら、血が滲んでるではないか」


そう言うと、キルバルは懐から綺麗な布を取り出して、半分に裂くとソルの両膝に巻き付けた。

未だかつてこんなギルドラを見た事があっただろうか?

ソルは余りにも衝撃的な状況に 言葉を失っていた。


「今日はどうした?何時に無く妖艶に着飾って、色香で俺を丸め込もうと思ったのか?」


「そっそんな.......事......」


図星を突かれて、衣を掴む手に力が入る。


「ん?」


「.............その通りです。」


「フッ.......素直だな?お前がそのつもりなら話が早い。今すぐ私の膝の上に座れ」