「キルバル様、いつまで跪かせているのですか?」


「あぁ...........」


「さぁ、ソル様、キルバル様のお隣にお座り下さいませ」


ソルが動く度に耳飾りがシャラシャラと音をたてて耳を惹く、黒い絹の様な髪は、近くで見ると余計しっとりと滑らかに輝いている。

重ねて着せられた最高級の薄絹からは、白い肌が透けて見え、何とも男心を擽った。

そんなソルを周りはほっとく筈がなく、ソルが座るなり、周りを囲むように男達が群がった。


「キルバル殿下!!なんとお美しいお方をお迎えになられた!!中々、妃をお決めにならないと思ったら、このお方に夢中だったのですね?これだけ美しいのです!我らに見られぬよう隠しておいでだったのですか?」


「まぁ、うん……そうだ」


「キルバル様!!」


「なんと!その様に寄り添われたら何でも望みを聞いてしまいますなぁ!美しい女で国も傾くとはよく言ったものです!!ハッハッハッ!!」


周りの男達も酒に酔いに任せて、次から次へと絡んでくる。


「魅力は容姿だけではない」


「白い肌に美しい絹の様な黒髪、何とも儚く月の女神の様なのに、更に男を惑わす技をお持ちとは!なんとも羨ましい!!」