容子に対する罪の意識と羨望は、いつしか後暗い夢想として私の中に根を張りました。
選ばれなかった幼い日の自分の心の隙間を埋めるように、私はかぐわしく不穏な夜の庭園と、そこに暮らす選ばれた不幸な少女たちの夢想に耽りました。
夢想の中の容子は月光を背にして私を誘い、赦し、時に罵り、軽蔑し、細い体を花園に引きずり込まれては乾いた地面に花弁を散らすのでした。
そんなことばかり考えているからか、最近、青臭さを孕んだ甘い花の匂いが自分の内側から立ち込めてくる気がするのです。
あの夜に嗅いだのと同じ、甘美な闇の匂いが......。
現在小学校教諭を目指している私は、来月から母校の小学校に教育実習に赴くことになっています。
夜の庭園に再会出来る日も、もしかしたら近いのかもしれません。
終
選ばれなかった幼い日の自分の心の隙間を埋めるように、私はかぐわしく不穏な夜の庭園と、そこに暮らす選ばれた不幸な少女たちの夢想に耽りました。
夢想の中の容子は月光を背にして私を誘い、赦し、時に罵り、軽蔑し、細い体を花園に引きずり込まれては乾いた地面に花弁を散らすのでした。
そんなことばかり考えているからか、最近、青臭さを孕んだ甘い花の匂いが自分の内側から立ち込めてくる気がするのです。
あの夜に嗅いだのと同じ、甘美な闇の匂いが......。
現在小学校教諭を目指している私は、来月から母校の小学校に教育実習に赴くことになっています。
夜の庭園に再会出来る日も、もしかしたら近いのかもしれません。
終



