夜の庭園ー少女たちの消える庭ー

けれど私は容子を追いかけ、庭園に足を踏み入れ、魔物の正体にまで気付いてしまった。

魔物はあの夜の目撃者である私に近付く機会を狙っていて、容子にしたように、私にも言葉巧みに「庭園」の魅力を吹き込むのではないか。

あの夜の続きのように牙をむき、私をこのアーチの向こうに引きずり込むのではないか。

私はあれからそんな想像をしては、眠れない夜を過ごしていました。

恐怖と不安のその下に、不吉な物語のヒロインに選ばれるのを待つような暗い期待を押し込めながら......。


けれど、私の身には何も起こりませんでした。


去っていった校長先生の体からは、薄く整髪料が香るだけでした。


私は選ばれなかったのだと、気付きました。


容子が守ろうとしてくれるまでもなく、魔物は私に腕を伸ばす気などなかったのだと。


いくらこの場所に立ち尽くしても、夜の庭園の門が私に向けて開かれる日は来ない。

選ばれてしまった容子が、庭園から帰ってくることも二度とない......。

私は手の平を握り締め、残酷な現実から逃げるように校舎裏を後にしました。