夜の庭園ー少女たちの消える庭ー

少女の足は、駄々をこねるように地面を踏み鳴らし続けていました。

そのうち靴が脱げてしまい、それでも足は動くのをやめず、脱げた靴を蹴飛ばしながらもじたばたと暴れ続けます。

まるで逃げ惑う人のように、じたばた、じたばたと......。

水色の靴下は土に汚れ、暴れる足の動きに合わせてオレンジの花弁が散っていきます。

私はいつの間にかその光景を固唾を飲んで見つめていました。

少女の身に何が起こっているのかを知る勇気はありませんでした。

けれど見なかったことにして立ち去る意志の強さも持てませんでした。

夢中でそれに魅入るうち、ふいに妙な音が聞こえることに気付きました。