夜の庭園ー少女たちの消える庭ー

あの子が近くにいる?

熱に浮かされたようだった頭が急速に冷え、背中を緊張が走り抜けました。

やっぱり容子以外の子もここにいたのだと思うと、この場所に対する恐怖心が今更のように湧き上がってきます。

同時に更なる暗い好奇心も湧き上がってくるのを、私は何とか押し込めました。

これ以上この不穏な世界に関心を持つのは危険だと、本能が囁いていたからです。

早く容子を見つけてここから出なければ。

他の子も、もし近くにいるなら助けてあげなければ。

けれど、なぜランドセルだけがこんな所に落ちていたのだろう?

一体何があったのだろう?

焦る頭で考えていた私の耳に、ガサッという物音が飛び込んできました。