結局あの後、私たちは一言も会話を交わさないままに別れました。

その夜、ベッドに入ってからもなかなか睡魔は訪れず、私はずっと容子のことを考えていました。

行方不明の少女の話を嫌そうに遮り、あんなに好きだった「夜の庭園」の話題に顔色を悪くした容子。

やっぱり何かが変でした。

事件にショックを受けているだけとは違うような......。

明日、何があったのか聞いてみようか。

でも、聞いてはいけないことかもしれない。

容子の様子から、その問題はとてもデリケートなもののようにも思えたのです。