次の日、容子は一日中むくれて私と口をきこうとしませんでした。
私が彼女の話をまったく信じなかった上に、校長先生にまで否定され軽くあしらわれたことで、完全にへそを曲げてしまったようでした。
私は私で勝手にむくれている容子の態度がおもしろくありませんでしたが、
もしかしたら今回の件で懲りて、今後は夢みたいなことばかり言うのをやめてくれるのではないかと期待もしていました。
小言ばっかり言っているようですが、私は花のように愛らしい幼なじみのことがけして嫌いではありませんでした。
その素直で人を惹きつける振る舞いに憧れる部分もありました。
この先もずっと仲良くしたいと思いながら、けれど子供っぽいままの彼女と中学に行っても友達でいられるかと言われると、即座には頷けないところがあったのです。
だから、彼女が「大人」になってくれるなら、それに越したことはありませんでした。
