ーーー 「で?いつ来るの?」 「まあまあ。そんな風にイライラしたって仕方ないでしょ? ほら、タマちゃんの好きなヌワラエリヤを淹れたんだ。 一緒に飲もうよ」 言われなくても紅茶がはいったのは分かっていた。 私の意識は店の扉にばかり注がれていた。 それでも、この柔らかな花に似た香りを鼻がキャッチすると脳は敏感に反応した。 この香りはヌワラエリヤ独特のものだ。