カクテル紅茶館の事件簿録


それがヌイの歌い方によるものなのか、元々その曲が持た合わせている魅力なのか、原曲を知らない私には判別はつけられないけれど。

とにかく、この隔離された独特な空間で会話もなく異様な鼻歌を聴いていると本当に迷い込んだ気分になる。

なのに、それが不安とか怖いと言う感情を産み落とさないのは本当に不思議だ。

元々社交的な質ではあるが、こんな入り組んだはしょで出会ったばかりの男の子と二人っきりで過ごすことが出来るなんてさすがの私も驚きだった。

「タマちゃん、新しいお茶淹れる?」

ヌイがいつの間にか目の前にいた。

「もらう」

そんなの答えなんか聞くまでもなく決まっている。