カクテル紅茶館の事件簿録


なのに!

毎日奏でられているその曲を私は知らない。

誰のなんの曲とか言うレベルじゃなくて、全く聞き覚えがないのだ。

まあ、それだけならばまだ異様とは思わないけど、それでも私がその鼻歌を異常だと思ってしまうのには理由がもう一つある。

ないって言い方は正確ではないかもしれないけれど、ヌイの鼻歌には感情がないのだ。

曲調は一定で盛り上がりがなく、AメロとBメロの境はともかくBメロとサビの境界もわからない。

でもとても耳に残るのだ。

ふとした時に脳内を巡り、気を抜くと口ずさんでしまうみたいにとても深く残る。